令和3年度牡丹焚火俳句大会の結果について
桔槹吟社では,去る11月20日(土)に牡丹焚火俳句大会を開催いたしました。当日は俳人協会理事の角谷昌子先生をお招きしての講演会,そして牡丹焚火があり,詳細は当ホームページをご覧ください。
俳句大会は,当日投句及び事後の投句を含め144句の応募があり,ゲスト選者である角谷昌子先生,森川光郎代表,江藤文子,金子秀子,永瀬十悟各氏を選者として審査いたしました。その結果を報告いたします(桔槹1月号には掲載済み)。
角谷昌子先生選
【特選】
赤松の闇を抜け来て牡丹供養
猪越千代
命の朱月へ走らす牡丹焚火
内山ケイ
じんじんと牡丹供養の燠鎮む
永瀬十悟
【入選】
宵闇の重さを肩に牡丹焚く
佐藤凌山
木々に神闇に佛や牡丹焚く
三瓶紀子
野良着脱ぎ牡丹焚火に赴きぬ
納谷一光
牡丹焚き胸の祈りの蒼き炎よ
高野直子
ふくろうの槻に闇来て牡丹焚く
御代田ハツ
牡丹焚炎も燠も地に還る
佐藤次男
牡丹焚く火を百の目に灯しけり
彦坂寿子
魂還る闇のやさしき牡丹焚火
鈴木亜由美
地震十年さまよふ魂を牡丹供養
木村しげ子
木々も人も牡丹焚火に傾ぎけり
佐藤健則
森川光郎先生選
【特選】
じんじんと牡丹供養の燠鎮む
永瀬十悟
牡丹焚く天に日の道月の道
相馬優美
薄闇やひと風の圧牡丹焚火
安藤安喜
【入選】
榾足せば新たな香り牡丹焚
納谷一光
牡丹焚炎も燠も地に還る
佐藤次男
牡丹に修羅あるごとく朱の炎
内山ケイ
闇にまく火の粉の散華牡丹供養
鈴木傾樹
闇に開く一巨花牡丹焚火かな
深谷栄子
火の粉舞ふにほひ灰かに牡丹焚火
有馬澄子
牡丹焚火天上の師も輪の中に
高橋富子
手を合はす牡丹焚火の燠あかり
菅野潤子
牡丹焚火しみじみ惜しむ命かな
菅野潤子
牡丹焚く闇に武蔵の息づかひ
渡辺家造
永瀬十悟選
【特選】
竜の火に育てる漢牡丹焚火
御代田ハツ
地震十年さまよふ魂を牡丹供養
木村しげ子
闇に開く一巨花牡丹焚火かな
深谷栄子
【入選】
牡丹焚く疫の終息熄祈りつつ
黒澤正行
牡丹焚火いのち仕舞ふをむらさきに
星明江
牡丹燠花王の矜持しかと見ゆ
横山光幸
牡丹焚く散華のやうに炎舞ふ
村田永子
牡丹供養火の温もりを懐に
後藤戴子
祖父の地は双葉の佳人牡丹焚く
鈴木傾樹
ささくれもねじれもゆかし牡丹粗朶
石山たま江
牡丹焚火見つむ体育座りの子
大槻正子
いつの世の榾の香りや牡丹焚く
佐川盟子
牡丹榾焚けば吾が身の照らさるる
有馬洋子
金子秀子選
【特選】
ふくろうの槻に闇来て牡丹焚く
御代田ハツ
竹幹に火照り映れり牡丹焚
角谷昌子
暗闇に武蔵の気配牡丹焚く
渡辺家造
【入選】
生かされて牡丹供養に手をかざす
藤田光徳
牡丹焚火いのち仕舞ふをむらさきに
星明江
みちのくの炎の標牡丹焚
佐藤次郎
牡丹焚火青火にも似る燠の終
栁沼弘
赤松の闇を抜け来て牡丹供養
猪越千代
牡丹焚く散華のやうに炎舞ふ
村田永子
牡丹榾土に還りゆく安堵
丹治道子
牡丹燠炎ひらひら菩薩かな
佐藤皆夫
牡丹焚火しみじみ惜しむ命かな
菅野潤子
牡丹焚火ぐるりマスクの暮れ残る
佐藤健則
江藤文子選
【特選】
ふくろうの槻に闇来て牡丹焚く
御代田ハツ
闇にまく火の粉の散華牡丹供養
鈴木傾樹
闇に開く一巨花牡丹焚火かな
深谷栄子
【入選】
榾足せば新たな香り牡丹焚
納谷一光
牡丹焚炎も燠も地に還る
佐藤次男
赤松の闇を抜け来て牡丹供養
猪越千代
牡丹供養火の温もりを懐に
後藤戴子
じんじんと牡丹供養の燠鎮む
永瀬十悟
竹幹に火照り映れり牡丹焚
角谷昌子
牡丹焚く天に日の道月の道
相馬優美
牡丹燠花びらとなり果てにけり
宗像眞知子
牡丹焚火天上の師も輪の中に
高橋富子
牡丹焚火しみじみ惜しむ命かな
菅野潤子
牡丹焚火句会入賞作品
5点 ふくろうの槻に闇来て牡丹焚く
御代田ハツ
5点 じんじんと牡丹供養の燠鎮む
永瀬十悟
5点 闇に開く一巨花牡丹焚火かな
深谷栄子
4点 赤松の闇を抜け来て牡丹供養
猪越千代
3点 竹幹に火照り映れり牡丹焚
角谷昌子
3点 闇にまく火の粉の散華牡丹供養
鈴木傾樹
3点 地震十年さまよふ魂を牡丹供養
木村しげ子
3点 牡丹焚く天に日の道月の道
相馬優美
3点 牡丹焚火しみじみ惜しむ命かな
菅野潤子