令和3年度松明あかし俳句大会の結果について

令和3年度松明あかし俳句大会の結果について

 

須賀川市の火祭「松明あかし」は,今年も新型コロナ感染症拡大防止のため,二年連続で松明一本のみの,無観客での開催となりました。

 桔槹では,毎年「松明あかし」俳句大会を開催し,同人・会員,そして一般の方から投句を募り,令和3年度についても多くの投句がありました。森川光郎代表を始めとして4人の選者により結果を報告いたします(桔槹1月号に掲載済み)。

□同人・会員の部

▼代表 森川光郎選

特選

強く高く一本声の松明あかし

    須賀川 御代田ハツ

一本の沸き立つ焔松明あかし

    須賀川 石山たま江

点火して闇濡れてゆく松明し

    須賀川 永瀬十悟

 

入選

天上に祈る火柱松明あかし 

    須賀川 三瓶紀子

大松明この世の幸を祈るかな

    須賀川 三瓶紀子

松明あかし火柱となり空進み

    須賀川 有馬澄子

屹立の松明一本明日へと  

    須賀川 御代田ハツ

担ぎ手にとん汁配る松明あかし

      須賀川 原田今日

闇の中火の粉舞散る松明あかし

      須賀川 原田今日

唇を噛み締め祈る松明あかし

      須賀川 菅野潤子

 

▼幹事長 佐藤健則選

特選

松明しさびしくなんかあるもんか

      郡 山 大河原真青

松明あかし災ひ鎮めくれ給へ  

        須賀川 渡辺圭子

松明あかし僧侶バイクで通り過ぐ 

              須賀川 稲田スミ

 

入選

娘が父の手取る松明あかしかな

     会津若松 前田てるを

松明あかしざらざらの世を祈りけり

          須賀川 御代田ハツ

松明あかし闇へ切り込む火の柱

          須賀川 菅野潤子

陽の鞣す松明あかしの果てし丘

      須賀川 石山たま江

ウルトラの星より眺む松明あかし

         郡 山 郡司真理子

いのる声闇へひろがる松明あかし

        須賀川 伏見良子

松明あかし十日山より手を合はす

        玉 川 野崎キン子

 

▼編集長 藤田光徳選

特選

大松明この世の幸を祈るかな   

           須賀川 三瓶紀子

四○○年の祷りをつなぎ松明あかし

           須賀川 菅野潤子

寂聴さんに届け松明あかしかな

     須賀川 猪越千代

 

入選

須賀川の冬の色なら火の色ぞ 

     郡 山 大河原真青

老いてなほ松明点火の熱さ抱く

     須賀川 丹治道子

一本の沸き立つ焔松明あかし

     須賀川 石山たま江

口づさむ校歌なつかし松明あかし

       郡 山 郡司真理子

大松明八百万の神に棒ぐ    

       須賀川 渡辺圭子

未来へとほむら昂る松明あかし 

       玉 川 野崎キン子

落城のむかしを語る松明あかし 

       矢 吹 藤田とよ

 

▼担当幹事 岡本堯子選

特選

巍然とし天空を突く松明あかし

    須賀川 有馬澄子

唇を噛み締め祈る松明あかし

    須賀川 菅野潤子

松明あかし僧侶バイクで通り過ぐ

         須賀川 稲田スミ

 

入選

火の色に平穏棒ぐ松明あかし  

      須賀川 有馬澄子

松明しさびしくなんかあるもんか

      郡 山 大河原真青

松明あかし闇へ切り込む火の柱

   須賀川 菅野潤子

明日へと一基見守る松明あかし

   須賀川 小河美利

近づけぬなれど松明あかしかな 

      須賀川 佐藤秀治

末来へとほむら昂る松明あかし

   玉 川 野崎キン子

点火して闇濡れてゆく松明し

   須賀川 永瀬十悟

 

□一般の部

参加賞

大松明三世十方浄めたり       

大松明三世浄めて朝となる

松あかし不動の散華闇を裂く

            郡 山 横山光幸

癌を病み十七年目松明あかし

貨物列車軋む鉄輪今朝の冬

秋夕焼安達太良五山屹立す

           郡 山 佐藤次男

子の手取り見せて受け継ぐ松明あかし

フィナーレの松明落ちて熾火かな

炎立ち世直し願ふ松明あかし

           須賀川 今井 寛

松明あかし御神火奉受終へにけり

松明あかし御神火隊は陸上部

小松明母と握りて五老山

          郡 山 柳沼 弘

十一月ただ一本の大松明

一本の松明の上冬銀河 

大松明明火の色くずれ寒昴

          須賀川 安藤正博